受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 647 ネオカル日和 / 辻村深月 著 を読みました。

ネオカル日和 (講談社文庫)

ネオカル日和 (講談社文庫)

  • 作者:辻村 深月
  • 発売日: 2015/10/15
  • メディア: 文庫
 
小学生の頃、図書室で出会った本の記憶。夏休み、訪れた田舎で出会った古い土蔵。放課後、友達と買い食いした駄菓子屋。すべてはこの世の物語を紡ぐために。日本の新文化(ネオカルチャー)を徹底取材したルポを中心に著者が本当に好きな物だけを詰め込んだエッセイ集。掌編&短編小説4本も特別収録する贅沢すぎる玉手箱
  カバーの背表紙を転記  
毎日新聞朝刊(2010/4~2011/3)掲載のルポエッセイ『日本新(ネオ)カルチャーを歩く』を中心にまとめたエッセイ集。

I ネオカルチャー新発見

は、
の著者飯島奈美
なんか、すごい。守備範囲広い。食わず嫌いがない感じ。
大人の事情でしかたなく、は、全く無い。ホントに好きだから取材して、話を聞いて、みんなに伝えている感じ。

II おおむね本と映画の宝箱

子供の頃に読んだというミヒャエル・エンデ「モモ」
モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

 
を大人になって読み返したお話が印象的です。
また、
銀河鉄道999」へのオマージュのためのショートストーリー&エッセイでのメーテルについての解釈が圧巻です。理解が深いと思いました。
いったい辻村深月は何歳なのか(劇場版アニメの第一作公開時にはまだ生まれていないはず)と不思議に思うのですが、これが小説家のなせる技かも。と思い直しました。
自分より上の世代、子供の世代など、自らの世代に限らず、共感を持って読まれる作品を生み出すパワーを持つ著者の懐の深さに触れたのだと思いました。

III 四次元の世界へ

藤子・F・不二雄のSFアニメーション作品。
パーマンの解説に膝を打ちました。
作中の子供向けの台詞は、年代を経た作品でもあり、現代人には多少ひっかかるところがあると思われます。
当エッセイでは、辻村深月が現代の大人が理解しやすいように、言い換えて、その魅力を語ります。
突っ込みどころを指摘するのではなく、その魅力を語る手法は、一緒に居て楽しい友達であること、のお手本のようにも感じました。
人によっては、人の噂ばなしや、わるぐち、突っ込みどころのあるネタを探してディスるのが楽しい友人関係を求める人もいるようですが、僕は辻村深月のような人が友達だったら良いな。と思いました。

IV ショートショート&短編小説

企画物などのオリジナル作品です。

V 女子とトホホと、そんな日々

食べ物など、普段のお気に入りレポ。
甲州弁は、
僕は地続きの相模原市出身。道志川に沿って山中湖まで自転車をこいで遊びに行ったこともありました。(主に郡内地方。くになかには、就職して東京の西の方に住むようになってから。)
高校は、より甲州に近い方に通っていたので、土着の人は、似たような話し方をしていたように記憶していて面白く感じました。
2020年 9月24日
No. 647

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