受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 671 ハケンアニメ! / 辻村深月 著 を読みました。

1クールごとに組む相手を変え、新タイトルに挑むアニメ制作の現場は、新たな季節を迎えた。伝説の天才アニメ監督・王子千晴を口説いたプロデューサー・有科香屋子は、早くも面倒を抱えている。同クールには気鋭の監督・斎藤瞳と敏腕プロデューサー・行城理が手掛ける話題作もオンエアされる。ファンの心を掴むのはどの作品か。声優、アニメーターから物語の舞台まで巻き込んで、熱いドラマが舞台裏でも繰り広げられる  
  背表紙を転記  

おもしろかった。

アニメーション業界を舞台にした職業小説。
若い人達が活躍する、活気のある現場。
業界が違うと、随分と働き方も異なるものであるなぁ。と思いました。
僕は電機業界などしか経験ありませんが、例えば、建設業界とか食品業界でも随分異なるのだろうと思います。
同じ業界の中でも、消費者向け(B to C)部門で新規事業企画に携わっていたときと、B to Bの商品企画をやっていたときはだいぶ違ったし、原理が発見されたばかりの素子の実用化を検討していたときと、機械のメンテナンスを担当したときもだいぶ違う(って、俺いろんな仕事やり過ぎだけれど(^_^;)
実際にTVで放映されるようなアニメを作る現場は輪を掛けて(異世界のように)異なるのだな。と思いました。
 
共通して感じたことは、自分が得意な分野で仕事をしたいものだ。です。
仕事を選べるとして、
もちろん給料が多い方が良いし、
休日がきっちり取れる職場が好ましいし、
自分が住みたいところで働きたいし、
友達や恋人と会いたいときに会って遊びに行ける勤務形態でありたい。
家庭を持った時には、ちゃんと家族の中での役割を果たせるようにワーク・ライフバランスが取れる仕事の仕方ができないとやだし。
条件を考えると、こんなふうなんだけれど、
サラリーマン人生も長くなった僕の感想は、
自分の性格にあっていない仕事に就くとつらい。
いろいろな条件よりも、自分の性格にあわない仕事だけは避けた方が良いというのも(選べるのならば)仕事を選ぶときの留意点であろう、ということです。
逆に、仕事が自分にフィットしていると、理想的な職場環境でなくても、周囲に働きかけて環境さえも改善しながらやる気が出てきて、元気に働けるものだ。という面もあります。
思えば、二回の結婚で、それぞれ彼女を見つけたときは、どちらも仕事が大忙しで、なんとかやりくりを付けながらデートをしていたものでした。
 
与太話はここまでにして、
小説ですが、死人がでない小説です(^_^)
 
そして、いい男、いい女が沢山出てきますが、
恋愛下手な人たちばかりで、愉快です。
 
「そうか、それ、プロポーズだったんだねぇ。」
 
とラスト近くになって気がつくこともありました。
 
たとえば、相手が恋愛の達人だったならば、
「おまえの、プロポーズ解りづらいよ。
『好きです。付き合ってください。』
とストレートに言いなさいよ。」
て、言い返すかもな。
と、このシーンを振り返って、話を膨らませて想像しました。
 
チヨダ・コーキの作品は、
僕は「V. T. R.」2013/2 代々社(便宜上講談社文庫刊行、辻村深月著)
しか読んでいないけれど、
彼の扱いがおもしろかった。(この小説での初登場シーンは、たまげた(;゜ロ゜)
そして、和解に一役買った、と思われるところがニクイですな。
 
V. T. R.の文庫の解説は赤羽環が書いていますが、この主旨は、サブカルチャーに分類されるジョブナイル作品が「いずれ、大人になる子ども時代のためのもの」という位置づけに抗するものですが、
ここで「趣味者階級の諸君、前進だ!」とアジるのではなく(現実世界でアジる演出で上坂すみれもおもしろいですが)、
記者会見のシーンで、おおよそ王子が言ってくれたように「尊重しろ、さもなくば、放っておいてくれ。」と言うような内容(僕の理解です)も納得がいった。
 
世の中には、自らの趣味を楽しめる人と、人を非難することしか能の無い人間の二種類がいます。
僕は、自分の趣味が楽しめる方の人間だと誇りに思いました。
2022年 4月17日
No. 671
 
今気がついたんですが、東映でやるんですね。