オリジナルは、1980年旺文社の単行本
旺文社『小6時代』1979年4月号から1980年3月号まで12回の連載をまとめたものらしいです。
斉藤一夫は小学六年生。ある日クラスに斉藤一美という転校生がやってきた。なんと彼女は幼稚園で一緒だった、ちょっとやっかいな女の子。みんなの前で秘密をばらされたり、ちょっかい出されたりで弱った一夫は、ちょっと脅かしてやろうと「身代わり地蔵」の前で一美に体当たり。ところが二人ともでんぐりがえって気を失ってしまった。気がつくと、二人の体は完全に入れ替わっていた!!解説・斎藤美奈子背表紙より
の原作です。
原作の主人公は小学六年生。男の子「一夫」の視点で描かれています。
映画と違う印象は、主人公の男の子が外面的には馬鹿ばっかりやっていて元気だけが取り柄に見えるところが、実は(女の子や近所のお年寄りなど)誰にでも親切で、それを自慢しないダンディズムを備えていることが、クラスメイトの女の子が転校生である一美(中身は入れ替わった一夫)に教えてあげるところで解ってしまうところです。
斎藤美奈子の解説にあるように、この原作は元々同年齢(小学六年生付近)を対象としたものです。彼らに向けて、人に接する優しさや、親切のあり方を示しているようにも思えました。
一夫がもう少し成長して、恋人が出来ると、彼女からは「私だけに親切にして」と要求されたり、彼の長所である恩に着せないところ(表面的には馬鹿ばっかりやっているところ)を「軽く見られてイヤ!」と修正を要求される事もあると思うのですが、元々人に親切な人と言うのは、自分が人に親切に出来たことで満足するものなので、恋人の不満を余所にハッピーに生きていくのだろうな。と想像して読み終えました。
2007年7月1日
No. 470
No. 470