No. 621 かがみの孤城 / 辻村深月 著 を読みました。
安西こころが、かがみの孤城で過ごした一年間の物語
- †第一部・様子見の一学期†
- 「五月」
から、
- †第三部・おわかれの三学期†
- 「閉城」
まで。
雪科第五中学校一年生の安西こころが、かがみの孤城で過ごした一年間の物語です。
狼の面をかぶった女の子に強引に引き込まれたかがみの孤城で、同じように集められた中学生男女7人で与えられた謎解きに挑みます。
ミステリー仕立てのファンタジー
単行本は最後のページが554ページ。ミステリー仕立ての長い小説です。
ミステリーは、どのように謎を解くのか。そもそも、なぜ7人が集められたのか。
いずれ、現実でのこころたちの問題も解決しながら、フィナーレを迎えるのだろう、と結末を予想しながら、謎が徐々に明らかにされるのを楽しみつつ、読み進めました。
最後に
- 「エピローグ」
で後日談が語られ、謎が全て明らかになります。
2018年本屋大賞受賞作
2018年本屋大賞をダントツで受賞した作品です。
が面白かったので
「他にも辻村深月作品を」
と思い、本屋大賞で話題になっていた本作を購入しました。
この世の中は、生きるに値する世界である。
この世の中が
「生きるに値する世界だ」
とあらためて教えられた思いで読み終えました。
難しい題材をどのように着地させるのか、読書中は少し心配しながら読んだのですが、圧巻でした。
特に、読んで感じるメッセージ=繰り返しになりますが
「この世の中は、生きるに値する世界だ。」
と言うことが伝わってくることが圧巻です。
あたかも自分が経験によって得た悟りのように錯覚するほど、情熱的でした。
輪を掛けて、ファンタジーを説得力を持って成立させる構成(謎解き)も素晴らしく感じました。
振り返って、
僕も、こころたちが生きている世界の一人であること、
この世界を作る一員としての役割があるのだ、
と思いました。
2019年 4月 6日
No. 621
No. 621