受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 653 シンジケート / 穂村弘 著 を読みました。

1990年10月に自費出版で刊行された著者のデビュー作
の新装版。
僕はKindleで買って読みました。

amazonに投稿したレビューこの世は愉快だ、と言い切れる生き方に共感できる歌集でした。を転記します。

自分の二十代、三十代の頃「俺はなんて愉快な世の中を生きているのだろう。」と実感していた頃の記憶が甦りました。
逆に言うと、現在「つまらないな。」と思うことが多いことに気がつき「これじゃイカン」とも思いました。(最近「これしなさい、あれしなさい。これはダメです。アレもダメです。」と説教する人が妙に多くてうっせぇじゃないですか?)

昨年NHK趣味どきっ!「こんな一冊に出会いたい 本の道しるべ」第二回の穂村弘の回で紹介されていた表題作「子供よりシンジケートを……」が気に入って、気に入って、検索したところ、プレミア価格で、躊躇していたところ、再販されたので飛びつきました。

表題作以外は全く接した事がなかったのですが、読んでみて自分にフィットすることにビックリしたほどでした。

生きるのが楽しい。ワクワクするような気持ち。このあとも、すぐさま楽しみが待ち構えていることがわかる感覚。短歌を詠う著者も、そんな楽しみな毎日を生きていることがうかがい知れるように思いました。

初版に収録されていた掌編「ごーふる あとがきにかえて」、
塚本邦雄の「擧手の禮」(少し前のめりな、栞の推薦文)
坂井修一の「おもちゃワールドの孤独」(適切な推薦文)
林あまりの「切なさのダイヤモンド」(インサイダーな推薦文)
新装版で書き下ろされた解説
高橋源一郎の「新装版に寄せて 書けなかった一行」(初版を世に広めた切っ掛けの内幕)
新装版あとがき
など、Kindleにも付いています。
みんなおもしろい。お得。買って良かった。万歳。
2021年 6月18日
No. 653