受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 630 NHK Eテレ100分de名著2018/10 モンゴメリ赤毛のアン / 茂木健一郎 著 を読みました。

モンゴメリ『赤毛のアン』 2018年10月 (100分 de 名著)

モンゴメリ『赤毛のアン』 2018年10月 (100分 de 名著)

 
NHK Eテレ「100分de名著」2018年10月「モンゴメリ 赤毛のアン」のテキストです。
amazonに投稿した
を転記します。

まず、赤毛について、

コンプレックスの象徴で、自分の不幸の理由として捉えることにより他の不幸が気にならない幼い頃の知恵であり、
成長し、個性として受け入れることで自分の人生を歩み始めることができるようになる物語、 と言うのが衝撃でした。

NHKの番組を観て、テキストが欲しくなりました。

NHK Eテレ 月曜日22:25~の放送
モンゴメリ赤毛のアン」第一回「想像力のつばさを広げて」(指南役:茂木健一郎、朗読:上白石萌音、司会:伊集院光安部みちこ
を見て、感激し、テキストで詳しく知りたいと思い、購入しました。

今までの偏見

「読んだことある。」
と言う人に
「どんな本?」
と尋ねたところ
「意地悪ばかりされる哀れな女の子のお話」
と、答えられました。
僕自身は、随分前に読んだ小説の中に登場する「赤毛のアンが好き」と言う女性を描写したイメージを鵜呑みにしていました。すなわち、
「女の人がアメリカかぶれになって、稼ぐ夫と結婚し、不釣り合いな一戸建てを(夫の稼ぎで)建てることを夢見るようになる物語。」
と理解していて、避けていました。

全く違う読み方を解説されて、衝撃を受けました。

テキストでは、専門的な用語が解説されていたり、著者モンゴメリのエピソードや、物語の背景まで語られていて、限られた放送時間では省略されてしまう内容が盛りだくさんでした。
一方、放送では、伊集院光の突っ込みが的を射ていて、話を膨らませたり、別の角度から読むとどうなるか、と茂木さんから聞き出すなど、絶妙さが際だって感じられました。
ほんとに、本(に限らず何を見ても、聞いても)受取手によって、得がたい宝物となるか、単なる悲しく惨めなお話になるか、受取手次第なのだな。と思いました。
かつて金八先生が放送されていた頃、「俺の学校には金八先生がいない!」といって暴れる生徒がいたそうですが、
赤毛のアンを読んで
「私は、実の親にも愛されなかった!」
と自分の不幸の理由にして、勇気を放擲するネタにする人もいるわけで、
そんないろいろな読み方ができる中で、茂木さんの解説は、まさに天啓。砂漠の中のオアシス。でした。
僕も赤毛のアンを読んでみようと思います。
2018年11月 1日
No. 630