No. 641 NHK Eテレ100分de名著2019/ 2 オルテガ 大衆の反逆 / 中島岳志 著 を読みました。
支離滅裂な演説でも、人気を博す政治家がいる。
明瞭に間違いを指摘されても「でも、こういう考え方だって、あっても良いのではないか。」と言って、有効な反論をしたつもりになっている人がいる。
声の大きな人が「言い切ったら勝ち」と考えているように思える。
この人たちが話しているのは、たしかに日本語なのだが、言葉が通じなていない。
そして、テレビで彼らの話を聞いて。
「この人の言っていることももっともだ。」
と、うなずいている人がいる。
僕は「支離滅裂な演説にも、納得する人もいるのだな。」といわゆる「×○ガー」がのさばる状況と、そういう人でも選挙に出て当選するカラクリを理解しました。
そうして、絶望しているときにNHKの番組を観ました。
「なるほど『ポピュリズム』と言うのは、こういう大衆が民主主義でトンデモ政治家を当選させている状態なのだ。」
と理解しました。
絶望が希望に変わるわけではないのですが、
むちゃくちゃな人が、権力を握る仕組みがわかり、対処法を考えられるようになっただけマシになりました。
また、この番組を観て、ちゃんと理解している人も多い様子なので、安心しました。(同じ番組を観ても、逆に珍説を練り上げて批判している人も見受けられるようですが、それは、今さら気になりません。)
解説している元の本は、新書 (中公クラシックス)「大衆の反逆」寺田和夫訳
です。
元の本を読んでも良いのですが、このたぐいの本は、解説が大事。と言うか、元の本を読んで、現代に役立つ点を抽出して、理解するには、僕の興味は多方面に向いていて、お勉強の時間が取れない。
と言うわけで、テレビ番組を観ると同時に、本書を購入し、理解したつもりになりました。
第二回の「リベラルであること」で、間接民主主義の効用を説いているところを読むと、
直接の国民投票でBRIXTを決めたイギリスの失敗が思い起こされました。
なるほど、と思いました。
現代のポピュリズムを退ける方法もあるはず。
この解説で勉強したことを、役に立てたい、と思いました。