No. 493 花とアリス/岩井俊二著 を読みました。
2004年に劇場公開された同名の映画「花とアリス」(監督、脚本、音楽、プロデューサー:岩井俊二、撮影監督:篠田昇、プロデュース、製作:ロックウェルアイズ、特別協賛:ネレス コンフェクショナリー、配給:東映)
監督本人による絵コンテを元に書き下ろされた原作コミックです。
『四月物語』(1998年3月公開、監督、脚本:岩井俊二、撮影監督:篠田昇、音楽:CLASSIC、配給:ロックウェルアイズ)
につながる少女たちの物語。と帯に書かれています。
この映画は、前年2003年にKIT KAT BREAKTOWN|ネスレ キットカット ブレイクタウン|でネット配信された連作短編映画を元に制作されました。
「企画書を持って行く時には二、三枚の粗筋ではなく、膨大な枚数の小説を持ち込むことにしていた」(「スワロウテイル」角川文庫1999/ 3/25後書き)
と、言うことですが、本書は原作ではありません。監督本人による絵コンテを元に書き下ろされたコミックです。
内容は、ホントに映画そのものです。ですが(当たり前ですが)時間とともに進む映画とは異なります。じっくり味わいたいところ、詳しく聞きたいところなど、時間を気にせず、繰り返し読むことができます。映画の世界をより深く理解出来たように思います。
特に、ハイライトの花の正直な告白シーン=先輩とのやりとりに感じるところが多かったです。本コミックが大いに補強してくれました。(鈴木杏の演技も良いのですが)本書では、花の切羽詰まった感じや、先輩の心変わりが手に取るように分かり、うれしく思いました。
2008年2月9日
2016年3月6日追記
No.493