トーベ・ヤンソン(Tove Marika Jansson 1914/ 8/ 9 ~ 2001/ 6/27 スウェーデン系フィンランド人)によるムーミンシリーズ八冊目の本。原題は"PAPPAN OCH HAVET"。スウェーデン語で書かれたもので、1965年にフィンランドのシルト出版社(Schildts Förlags Ab)から発行されました。僕が読んだのは、2011年に冨原眞弓の解説付きで21世紀版として再版された講談社文庫です。
青い鳥文庫も新装版が出ています。
初めて9作が勢揃いした「ムーミン童話全集」もあります。
最初の出版は、1980年の講談社文庫でした。
あ、こちらのほうが出版が早いですね。
本作がシリーズ最後のムーミン一家の物語です。
毎日、忙しそうに働くムーミンママ。
自分の役割を喪失したと感じたムーミンパパ。
出発直前にムーミンママが思った通り、
くらしがうまくいきすぎるからといって、悲しんだり、はらをたてて、
あえて困難な新しい生活を求めるなんて、おかしい。
と、僕も思いました。
かくして、新しい生活には、ムーミンパパに「するべきこと」が沢山ありました。
島の構造を研究するムーミンパパは「我が意を得たり。」というところでしょう。
一方、ムーミンママは冬に備えてたきぎあつめ程度しかすることがありません。
「これはわたしの仕事よ。わたしだって遊びたいわ。」
と、おこって言う台詞が印象に残ります。
人には役割が必要と言うことなのでしょう。
やがて、大嵐が来て、対応に追われるみんな。
家族の新たな役割が出来ると、灯台に明かりが灯りました。
2016年 1月31日
No.586