No. 552 同窓会/山田邦子 著 を読みました。
女子高校を卒業して十二年ぶりの同窓会。
在学中に仲が良かった五人が三十歳になっての再開。
- PROLOGUE
- 小説は、同窓会の案内通知をワープロ打ちする幹事で生徒会長だったタカコの風景を綴る導入部の後に、五人がそれぞれ一人称で同窓会当日を綴っていきます。
- 0:00PM タカコ
- 同窓会は、正午から午後二時まで。しっかり者のタカコが、仕切ります。
途中修学旅行の思い出から、広菜の夫とのなれそめが語られます。
折角波瀾万丈の高校生活を送ったマキの事件が話題になる所だったのに。
歓談のシーンでは、姑のいる広菜と妙に意気投合。 - 2:00PM マキ
- 二次会は、高校時代からクールで孤高のヒロインだったマキによって語られます。迎えに来た夫の車に乗って一人、早々帰路に就きます。
- 4:00PM 広菜
- 一人仙台に嫁いだ広菜には、折角の東京観光。
タカコを見送った残り三人は、広菜の提案で銀座を徘徊。いわゆる「銀ブラ」(※)ですな。
(※)銀ブラ:僕は単に銀座をウィドーショッピングしたり、喫茶店などでお茶をすすることだと思っていたのですが、今上天皇が高校三年の試験が終わった日に、侍従を騙して学友と銀座で紅茶を飲んだが、大騒ぎの末に警官を配置され散策が終わってしまったと言う事件を指すそうですね。窮屈な話しですなぁ。 - 8:30PM 花子
- 「クラブ」と名を変えた「ディスコ」に入ってみたものの、五分で出てきてしまった六本木。
他の四人に何かと相談に乗ってもらっていた花子の思い出=卒業旅行での夜の海岸が語られます。
子のいない花子は、ここで夫の元へと二人を残して帰路に就きます。 - 9:30PM 菊子
- 唯一独身の菊子と、東京で宿泊の広菜二人が残りました。
二人で広菜の宿泊ホテルで飲むことに。チェックインのフロントでタカコからのメッセージがどっさり手渡されるのが楽しい。チェックインを菊子に任せている間に、広菜はマキに電話を掛けてどうやら高校以来のわだかまりを解いた模様。そして、 - EPILOGUE
- 現役の女の大人ですから、特に僕からはコメント致しません(^_^;)
卒業後も長く付き合いが続いているのは、僕も高校生時代の友人たちです。
彼らとの関係をよく考えてみると、二つのポイントがあったように思います。
一つは、異性の趣味が重ならなかったことです。
もう一つは、皆自立していて、依存関係が無かったことです。
この小説「同窓会」を読んで、
「女子も同じだな。」
と言うのが感想です。
厳密に言うと、全く異性の趣味が重ならなかったわけでもなく、精神的に頼る場面もありますが、大枠として、二つのポイントが五人の友情を継続させたと僕は思いました。
仲良しの定義に、
「秘密を持たない」
「いつも一緒にいる」
二つを挙げる人の話を聞いたことがあります。
僕は、そのようなタイプの人は苦手です。
逆に、秘密にしたいことがあるならば、それを尊重し、
一緒にいる時間が少なくなっても心配する必要のない信頼感。
この二つが出来る相手こそ、一生付き合える友情が結べると思いました。
2014年 2月17日
No.552