受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 680 地球の歴史(上)-水惑星の誕生 / 鎌田浩毅 著 を読みました。

偶然が生んだ奇跡の水惑星―地球は太陽系の数ある惑星のなかで唯一環境が安定した「水惑星」である。生命が生まれ、進化を遂げることができたのはなぜか。上巻では一三八億年前の宇宙誕生=ビッグバンから説き起こし、銀河系や太陽系、そして地球が分化する過程を追う。灼熱のマグマの海だった地球は、マグマの冷却や大陸の分裂・合体を繰り返しながら、厚い大気の層と穏やかな海を持つに至った。全三巻でたどる地球四六億年の旅がここに始まる。
  カバーの袖を転記  
地球の大気の二酸化炭素量変化を知りたくて購入しました。
(上)、(中)、(下)の三巻のうち、
本巻は上巻。
-水惑星の誕生
と副題が付いています。
中巻は、
-生命の登場
下巻は、
-人類の台頭
です。
上巻の目次を記します。
第1章 太陽系惑星・地球の誕生
 第1節 宇宙の大構造と銀河系
 第2節 太陽系の誕生
 第3説 地球から飛び出した月
第2章 マグマオーシャンの冷却と核・マントルの分化
 第1節 マグマオーシャンの冷却と固結
 第2節 核とマントルの分化
 第3説 上部マントル・下部マントル・地殻の分化
第3章 プレート・テクトニクス開始と大陸の成長
 第1節 プレート・テクトニクスの始まり
 第2節 地殻の誕生
 第3説 大陸の分裂・合体とウィルソンサイクル
第4章 大気と海洋の誕生と炭素循環
 第1節 生命の星「水惑星」の誕生
 第2節 海洋の誕生
 第3説 炭素の循環

 

現時点で読んだのは一部です。
とりあえず大気中の二酸化炭素の変化を知りたかったので、
第4章 第2節 全9段の最初「原始地球の大気」から「「脱ガス」で誕生した海と大気」「初期地球の大量降雨」「海洋と大気を循環する水」あたりまでを読みました。

 

本作の内容は、定量的な変化を示すのではなく、
定性的な変化を文章で記し、
その変化が生じる原因を簡潔に解説しているのが特徴です。
おそらく、専門的な教育を受けた人には、言いたいことが沢山ある内容だと思います。
(僕も科学雑誌ニュートン有機化学の合成を解説したのを読んで「違う」と言いたかった経験があります。)
しかし、正確さに欠けても、一般人(あるいは、基礎的なお勉強の途にある人)には、この程度が丁度良いのだと思いました。

 

本書は、ほとんど専門的な知識がない人にも、わかりやすい説明が施されています。
本当はもっと正確にするべきなのかも知れませんが、
地球史全体を述べる本書は、これだけ簡潔にしても、全三巻。
妥当なところ、だと思いました。
とりあえず、二酸化炭素については、
生物の影響だけに限らず、原始大気が出来てから、減る一方で、今の0.032%程度(体積百分率=分圧)までに落ち着いたのだ、と言うことが解って良かった。
生物の影響だとしても、ほとんどは海洋生物の影響だろうから、もともと海に溶けていた二酸化炭素を吸収(消費)したものだしな。と、ようやく僕の理解もここまでに達しました。

 

本書の中巻も下巻も一緒に購入したのですが、
教科書のように、気になったときに調べる形で使っていきたいと思います。
(小説のように「買ったからには、先ずは一通り読む」というような無謀な目標は持ちません。)
2023年 1月16日
No. 680