受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 292 免疫学個人授業 / 多田富雄/南伸坊 著 を読みました。

病気の原因になる細菌が体内に侵入すると、体はそれらを攻撃する抗体を作る。そのしくみを利用したのが、ジェンナーの種痘。研究者達の奮闘はその後も続くが、やがて素朴な疑問にぶつかる。自分と他人はどうやって区別するのか? そもそも自分とは何か? 免疫学の歴史、研究室でやっているコト、そしてエイズ治療など最先端の研究をやさしく楽しく勉強できる、人気シリーズ第2弾!
  カバーの背表紙を転記  
風邪を治してくれるありがたい免疫。でも僕には、薬やお医者さんが風邪をなおしてくれるような気もします。では、免疫は何をしているの?
免疫の基本から、ついには「自己とは何か?」までを、やさしくお勉強できる一冊。
サプレッサーT細胞の発見で世界的に知られる多田富雄@東大医学部名誉教授、東京理科大生命科学研究所所長の個人授業を南伸坊がノートしたシリーズ第二弾。この文庫には、1995年から1996年に掛けて新潮社「SINRA」に連載された全15講におまけの講義「自己」って何?   免疫学の立場から  が加えられています。
この本とは関係ありませんが、僕は二階建てのアパートの二階に住んでいます。窓の外側の縁(なんて言うんだろう?バルコニー?)で三年前から朝顔を育てています。最初は一階の躑躅の植え込みから土を貰い、せっせと液体肥料を加えながら花を咲かせました。次の年からは枯れた朝顔を埋め、腐葉土を作って育てています。冬の間、ほったらかしにしておき、冬の終わり頃、乾いた鉢に水を与えます。早春の陽気でこの水が気化すると、腐った土の匂いがします。これが、春の匂いです。もう少々表現を工夫すれば、文学的になるのでしょうが、真っ黒に腐った朝顔が埋まった鉢から立ち上る蒸気は、見た目には「ばっちい」です。でも、香りだけなら詩的です。
そして、この香り立つ鉢に朝顔の種を植えると、芽が出る。沢山出る。よく、こんな腐った土に根を張るよな。と思うのですが、全てがうまく根を張れるものでもないようです。うまく根を張れなかった双葉は、倒れます。倒れた翌日には腐り始めています。
生きている朝顔の芽は腐りませんが、倒れた途端に腐り始める。この違いは……。「たしか植物にも免疫があるから。」と、記憶していたのですが、本書  第6講「超システムである」で我々人類とは異なるシステム  主にレクチンを用いた防御システムであると学びました。

 

本書の主眼は、レクチンを用いる植物や昆虫とは異なるシステム  我々人類を含めた脊椎動物の複雑な免疫系。
はしかや水疱瘡おたふく風邪。一度罹ると、二度は罹りません。免疫が出来るからですね。でも、免疫が出来るってどういう事? ワクチンを接種すれば、あらかじめ予防が出来る病気もあります。これって、免疫を作ってるの? エイズもウィルスに感染して発病する病気だけど、予防できるの?
こんな疑問に応えながら、自分と自分以外を区別する免疫の意味、そのシステム論から国際間の紛争解決への応用? まで、僕の好奇心を刺激してくれました。
2001年 5月24日
No. 292
第11講「寛容ということ」で紹介されていた免疫が働かない例外3パターンが、印象深く「なるほどなぁ」と記憶に留まっていました。
a) 生まれてすぐに接した抗体
b) 微量な場合と、非常に大量な場合
c) 口から入れた場合。
宮澤大輔医師ネットの2022年7月25日のnote

note.com

を拝読して「そう言えば」と思い出して、読み返しました。
元ネタはプレプリントであり、査読を受けていないものですが、
「免疫が働かない例外パターンのb) 非常に大量な場合」となるメカニズムが解説されています。興味深く拝読しました。
2022年 7月30日