受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 674 桂浜水族館ダイアリー / おとど 著 を読みました。

高知県景勝地・桂浜にある小さな水族館「桂浜水族館」。マスコットキャラクター・おとどちゃんのユニークなTwitterがバズり、一躍人気者に。その舞台裏にある、職員一斉退職からの再起、人気飼育員の苦悩、ベテラン飼育員の生き様、生き物の生と死、女性館長の悩める心の裡を、おとどちゃんが綴ります。今、多くの人がこの水族館を拠り所にしていることがよくわかる、“こじゃんとエモい”(強く心に訴えかける)エッセイ!
  WEB書店の商品紹介を転記  
マジでびっくり。漠然とした虚しさを感じていたところで読んだので効き目があった。
ベテランの小説家が地元貢献で気の利いたエッセイを書いてツイッターで戯れているのかと思っていた。
だって、ホテル・カリフォルニアになぞらえた桂浜の謎のマンホールの暗喩に即座にレスポンスするのは、1969年にスピリッツの扱いをやめた世代だろ。
でも、読んでみたらそうじゃなかった。
桂浜水族館の飼育員の目線で順繰りに語られるルポから、徐々に生きづらい世の中をいかに泳ぐか、漂うか、人それぞれのペースに寄り添いながら描く、この一冊は、文学だった。
気軽に読めて、なおかつ立派な文学に接した気分に浸る事が出来てお得だった。

 

小説宝石2020年12月号掲載の第1話「海に微睡みて、藍。」から2021年8・9月号掲載の最終話「その夕凪にはもう帰れない。」を元に、単行本化されたエッセイ集。
のようですが、僕は小説宝石の連載を読んでいないので、実際のところがどのようだかは、解りません。
僕がWEBで読んだのは、treeのダイジェスト
です。

 

そして、上記はamazonレビューに「楊」のペンネームで書いたもので、ツイートは、一部勘違いでした。
ホテル・カリフォルニアは、こちらのツイートで、おとど自身がホテル・カリフォルニアに言及しているわけではありませんでした。

また、桂浜の謎のマンホールとは別の話題でした。

ちなみに、僕は2013年に転勤で高知県に引っ越して来ました。その直後2013年の7月7日(七夕)に桂浜水族館を訪れています。
ペンギン(No. 546)

'13/7/7 CAMERA : CASIO EX-Z550 ISO:400、f/2.6、1/60秒 焦点距離(35mm換算):26mm
 

と、オウムガイ(No. 554)の写真を撮っています。

'13/7/7 CAMERA : CASIO EX-Z550 ISO:400、f/2.6、1/60秒 焦点距離(35mm換算):26mm

この時は、まだおとどは生まれていませんでした。 そして、おおよそ八年間、高知県に住んだ後、再び転勤で関東に移り住む、その前年の年賀状(干支=子)画像をゲットしようと、カピバラ(No. 943)を撮りに行ったのが最後でした。 

'19/11/2 CAMERA : PENTAX K-S1 lens : smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL
ISO:3200、f/4.0、1/60秒 焦点距離(35mm換算):49mm
ちなみに、本文にもあるけれど、桂浜水族館は(一般に水族館、動物園が該当するのだけれど)博物館法上の博物館(生態園)です。
1952年3月に社団法人化された際には、高知県博物館第1号に指定されたそうです。
2013年4月に公益社団法人化されて現在に至ります。
と、言うわけで、ショーをやったりする屋外の大きなプールが見どころだけれど、屋内に沢山ある水槽の展示も見応えがあります。
ここではひとつだけ、高知名物(食べるよ)うつぼ

'19/11/2 CAMERA : PENTAX K-S1 lens : smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6AL +偏光フィルター ISO:3200、f/4.0、1/15秒 焦点距離(35mm換算):36mm
このエッセイ&ルポは、もう一つ
「お仕事エッセイ」の側面もあり、
SNSだと、有名人の起業とか、あまり一般人の参考にならない職業紹介が目に付くけれど、ここではふつうの人が(「ふつう」って言ってもみんないろんな個性のある人なワケだけれど)どのように飼育員になるのか、何種類かの面白い紹介もあって、若い人にもオススメだし、僕みたいなオッサンが読んでも「なるほど、そういう就職の仕方もあるのだな。」と視野が広がって良いです。
自分の人生で、そう何種類もお仕事体験出来るわけではありませんし、例えば転職して全く違う職業に就く場合は「こんなケースもあるのか。」と勇気が沸く次第です。
僕の場合は、自ら転職しないのに、めったやたらといろんな職種を経験しましたが。ちなみに昨年の転勤は「経験不問」の社内公募で採用されて、転勤後には、某ウェブクラウドサーバーの講習を受けて、資格を取りましたですよ。変化の大きな世の中を生き抜くためには、全く違うお仕事にもチャレンジする心づもりが必要だ、と思いましたとさ。
むろん、体調を崩して働けなくなることも人生あるあるだけれど、そういう時を経験した飼育員のお話なども聞けるのが、親切で心地よい一冊です。
2022年 7月 8日
No. 674