No. 593 つぎはぎプラネット/ 星新一 著 を読みました。
同人誌、PR誌に書かれて以来、書籍に収録されないままとなっていた知られざる名ショートショート。日本人、火星へ行けば 火星人……「笑兎」の雅号で作られた、奇想天外でシニカルなSF川柳・都々逸。子供のために書かれた、理系出身ならではのセンスが光る短編。入手困難な作品や書籍、文庫未収録の作品を集めた、ショートショートの神様のすべてが分かる、幻の作品集。背表紙を転記
星新一(1926/9/6 ~ 1997/12/30)の単行本未収録作品集。
単行本未収録作品集は、本作以前に「きまぐれスターダスト」(出版芸術社2000/3)
および、その再編集文庫版「天国からの道」(新潮文庫2005/9)
があります。
その後2011年、星マリナ(星ライブラリ(株)代表)発案により星新一作品初出リスト作成。更なる単行本未収録の存在が明らかになり、本書が企画されました。
文庫オリジナルです。詳しくは、この初出一覧等の編者でもある作家高井信(1957/7/27~)による解説をご参照あれ。
ここでは、便宜的に目次順にタイトルの前に番号を振って、感想を述べる順番を入れ替えます。
最初は、川柳・都々逸。
- 1. SF川柳・都々逸 101句
- 星新一の三冊目の単行本は「ようこそ地球さん」(新潮社1961/08)
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- です。文庫(新潮文庫1972/ 6/15)
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- あとがきによると、当初「ようこそ宇宙へ」と題したが、掲載雑誌編集部との相談で「ようこそ地球さん」とした旨が記されています。現在進行形の話題のネタは「逆の立場で見たら」と、客観性を持つのが難しいもの。同時代にあって「逆に宇宙から観たら、我々お客さんだよね。」と発想するのは難しい。柔軟な発想で、逆を見る星新一の冴えた川柳と都々逸でした。
次は、通常のショート・ショート。本書本文末尾に記されている掲載元の順に並べます。
- 2. 知恵の実
- 落語ふうの短篇。「なぜ、両手が地上に着くことなく、一定の高さを保って歩いていられるのか。」(つまり、なぜ人間は二足歩行するのか?)と疑問を持った仙さんが、御隠居さんにそのワケを教えてもらう話。なるほど、欲望ですねφ(..)メモメモ
- 3. 環
- 人類が「幸せを自ら作り出したい」と願い作った装置「科学」。これを用いた結果が、そうだったとは。
- 4. ミラー・ボール
- 書簡形式による、雑誌のクイズ企画の顛末。一般市民として流行に接していると解らない、仕掛け人の思惑を描いています。
- 5. 栓
- 原子核を構成する物質が解ってきた。それを構成する物質は、と究極を見極める実験に取り組む学者。
- 6. 狐の嫁入り
- 狐の嫁入り(お天気雨)の本当の原因って、そうだったんですね。
- 7. タイム・マシン
- タイムマシンを使って実験を試みた青年のお話。「血は争えない。」とは、このことか。と思いました。僕はこのようなショート・ショートが好きです。気が利いているな。と思います。
- 8. 太ったネズミ
- 闘鶏は負けた鶏を食べるそうですが、ここでは鼠の勝負。太った鼠が負けた。皆で食った。うまかった。どうやって、その鼠を手に入れたのか。ブラックです。
- 9. 見なれぬ家
- ウラニウム鉱脈を探しに来た山師二人が、山中道に迷いたどり着いた空き家。宮沢賢治「注文の多い料理店」の現代または未来版。二人の運命や如何に。
- 10. 文明の証拠
- 他の星にも文明が存在するのか? ロケットに乗って探しに来た博士と助手。ありました。なるほど、文明とは、そういうものか。と思いました。
- 12. 黒幕
- 科学記述関連の探偵事務所に持ち込まれた事件は核融合型原子力発電所の原因不明の故障。結末の二重のひねりが面白かったです。
- 19. 地球の文化
- 宇宙探査から帰ったロケットを尾行して、高度な文明を持つ粗暴な宇宙人がやってきた。
- へりくだっても言うことを聞いてくれるわけではない。と言う寓話になっています。
- 20. 宇宙をかける100年後の夢
- 百年後の新婚旅行。火星への宇宙の旅。
- 宇宙への旅でなくても、二人でワクワクしながらの旅行なら、新婚旅行は(新婚旅行でなくても)楽しいだろうな。と思いました。
- 23. 被害
- 強盗に入られたエル氏の被害とは? 悪いことは出来ませんな。いや、出来るのか。
- 24. 宝の地図
- 宝探しが趣味のほら吹きじいさんの末路。
- ひねりの利いたストーリーに胸が躍りました。僕も宝探しをしてみようかしら。
- 25. インタビュー
- 生まれたての赤ちゃんへ、おもちゃのトラがインタビューしました。「未来は明るいのか?」「戦争があったら、台無しだ。」と。
- 赤ちゃんの答えに、姿勢を正したくなるようなお正月でした。
- 26. お正月
- 自作ロボットに「おめでとう」とだけ言えば良いと言い含めて留守番をさせたエヌ博士。
- 本当にお正月はおめでたいことでございました。
- 27. 白い粉
- ボスに命令されて、白い粉を届けに行った下っ端の顛末。
- なんとかとはさみは使いよう、と言いますが、うまく人に使われると、働きやすいですね。
- 28. 夢みたい
- SF作家と友人の会話。SF作家が「出てこいキャスパー」(1962/10/6 ~ 1963/4/13:フジテレビ。1945年以降アメリカ合衆国で順次アニメ化されたTVアニメ。原作は1930年代後半にイラストで誕生。)のプロットを話すと、否定的な感想を述べ、アメリカのものがたりだ、と話すと褒め、子供向けのアニメだと教えると、子供っぽいと貶す。素人の批評は、今も昔も変わらず。
- 29. 正確な答
- パンチカードがコンピュータの入出力メディアの主流だった時代。なんと、日本語の文章で質問すれば答えてくれるコンピュータを開発した。売り込みに行った先で社長がお試しににした質問は「役に立たないモノは、何?」
- 時代が下って現代では、このような質問をする際には「人間にとって、」と断りを入れることが必要だ、と認識されるようになりました。また、地球環境保全などの現代の課題も「人間が現状の生活を永続的につづけるために」と言う目的が共有されていると思います。コンピュータの進化は、人間の認識の進化も促したのだな。とこの短篇を読んで気がつきました。
- 30. ゼリー時代
- いつも険しい国際関係、人間関係に悩む人類が、科学技術が発達した星から学者を招いた。処方箋をもらい、人間をゼリー状にした。和やかになった人間は、どうなったか?
- 案外、町で踊り歩く人は、進化を遂げた人なのかも。と思いました。
- 31. 万一の場合
- 女手一つでガソリンスタンドを切り盛りする女主人が、万が一の場合に備えて準備した策とは?
- 何が、どう役に立つか判らないものですね。
- 32. 妙な生物
- 植民地化の予備調査に来た宇宙人を撃退した、地球の妙な生物。
- 頼もしい人類のしもべです。
- 33. 空想ご先祖様 それはST・AR博士
- 霊媒に頼んでご先祖様とお話をした。一人称の短篇です。
- 「なるほど、あなたの子孫だとしたら、僕も納得します。」と思いました。
- 34. オリンピック二〇六四
- 未来のオリンピック観戦予想図。
- 未来対する夢に溢れています。
- 35. 景気のいい香り
- 景気回復の特効薬。良薬口に苦し。とは、このことか。
- 36. ある未来の生活
- 自動運転の自家用車で帰宅。壁一面のTV画面でショッピング。即時配達。もう少しでこの通りになる、僕が読んだ現在は2016年。すると、結末の設定もあとわずかで実施か(謎)。
- ちなみに、環境省が地球温暖化防止のために呼びかけて実施している「CO2削減/ライトダウン キャンペーン」は、2003年が最初でした。
- 37. 二〇〇〇年の優雅なお正月
- 快眠からの目覚めも、身繕いも、朝食の支度も、掃除も、何もかも自動でやってくれる未来の生活。遊びに行くのも便利。お小遣いさえ足りていれば。
- 現代人が持つ「スマホ」は、一昔前の人に見せれば「夢の未来の機械」ですが、持ってみて気付く「タダではない。」最先端医療も、それなりに費用が必要だし。電気は便利だけど、無尽蔵に使えるモノではなかった。実際に未来になってみると、いろいろと気がつくことがありました。
- 38. ビデオコーダーがいっぱい ちょっと未来の話
- 読んでびっくり。動画がインターネットで扱えるようになった現代。ビッグ・データの処理が可能になり、複数の防犯カメラの映像が集計されて、犯罪捜査にも利用されています。この今の未来を、あたかも見てきたように描写した一遍です。
- 39. 味の極致
- 家庭の主婦から、パーティーのシェフまで、あらゆるニーズに応えるレシピ提案会社を経営するエフ氏。繁盛している会社を狙って強盗が入った。究極のレシピとは?
- 食道楽向けに限らず、ニーズを掘り起こし、研究、開発することによって、市場が生まれ、研究を重ねて先行すれば利益が得られる。企業経営の模範事例のように読みました。
- 40. ラフラの食べ方
- 「味の極致」の次は、売れなかった新商品のお話。食品に限らず、絵画や音楽など芸術の分野でも「良いもの」と「売れるもの」とは異なる、と言う事実を突きつけられたように思いました。商売にするには「売れなければならない」でも「売れれば良い」というモノではありません。数年前に食中毒で営業停止命令を受けた焼き肉チェーンの経営者の記者会見を見ていたときに「この人は、儲けるためだけ」に、焼き肉チェーンを運営しているようだな。と印象を受けました。企業経営に限らず、職業一般に言えると思うのですが、たぶん僕たちは自分の仕事に、こなして正当な対価を得るだけではない、こだわりを持つことが必要なのだ。と思いました。渡世は簡単ではないようです。でも投げやりにならず、時には諦めて別の新商品の探索に写ることも必要。いろんな感慨がありました。
- 42. 上品な対応
- ピンチを救ってくれた星を後にし、帰郷したエフ博士が開いたパーティーに、浮浪者が着るものと食事をねだって訪れた。
- 情けは人のためならず。と思いました。
- 44. 屋上での出来事
- 恋愛ファンタジーです。なるほど銀行のPR誌に寄稿された作品です。幸せな人生を送るには、現実的な対処も必要だな。とφ(..)メモメモ
- 45. おとぎの電子生活
- そうだよ。核融合原子力発電所が実用化されれば、クリーンなエネルギーがふんだんに使えるじゃないか。と思いました。インターネット検索で調べたら、二一世紀後半を目標に開発中と言うことでした。
- それはともかく、ものがたりは未来を生きる青年の恋の悩み。未来も、心のときめきは自分だけの大切な宝物だ。と納得しました。
- 46. 夢への歌
- 夢が現実になる、素敵な恋愛ファンタジーです。
- 47. 最後の大工事
- 遠い星々を調査するために出発した小型の宇宙船が、期日を大幅に過ぎてから帰投した。事故に遭い、高度な文明を持つ親切な星で修理をしたためのロスだが、そこで見学した工事とは?
- ピラミッド建造の理由にも似た、理解を超える星の事業でした。
- 49. ほほえみ
- ほほえみは生きる力だと思いました。
- 50. ある星で
- 訪れた「愛を知らぬ星」の人々に愛を説明する宇宙船乗組員。
- 化粧品を用いる巧みな仕組みでした。
- 54. 魅力的な噴霧器
- 新発明の催眠術噴霧器。国の秘密情報部に納品したが、数が合わない。紛失した噴霧器をそれと知らずに使ったら?
- 22ページの短篇です。タイムマシンが行ったり来たりするようなノリで、複雑な催眠術合戦が展開されます。最もうまく使った人が、最後に得をする?
- 55. 命名
- タイムマシンと同じように名付けられた発明のお話。ユーモアですね。
- 56. 習慣
- 当時は、これがSFとして取り上げられたのか。と驚きます。一般社団法人インターホン工業が設立されたのは、1966年。おそらく、この短篇が発表されたころは、まさかインターホンにカメラで撮影した画像を写すことなど考えも及ばなかったでしょう。まさかの未来商品。アイホンのウェブサイトによると、テレビドアホン発売は1982年。そういえば、PCも液晶モニターで薄型になったのは、1992年頃でした。カメラも撮像管からCCDで小型化されたのは、1980年代後半でしたね。この頃のめまぐるしい技術開発を忘れると、それ以前の時代に「あれ?無かったけ?」と不思議に思ってしまうことを発見しました。
- 57. L博士の装置
- たばこ好きのエル博士の新たな発明は、火事の心配をしなくて良い、安全なたばこ自動吸わせ機(笑)
- なるほど、これなら安心です。
次は、子ども向け学習雑誌に寄稿したものです。
第六章「ボッコちゃん」を読んで「セキストラ」(ようこそ地球さん」1972/6/15新潮文庫に収録)で商業誌デビューした1957年直後に、少年少女向けの雑誌「子供の科学」などの連載、新潮社「少国民の科学」シリーズの一冊「生命の不思議」(新潮社1959/9)
を手がけていることを知りましたが、実際の作品は、この本で初めて読みました。
- 11. 食後のまほう
- おじさんのうちに夕飯に呼ばれた兄妹が、おじさん夫妻のまほう(手品)の種明かしを考える夕食後のひととき。
- ロジック思考を身につけるのに良い文章だと思いました。
- 13. 犯人はだれ?
- 三話からなります。ものがたりふうに事件を語り、その解決方法を問題にしています。いずれも理科の問題。物理化学の分野。高校の化学では圧力との関係も問題に含まれますが、小学校では、温度だけが問題になります。
- 第一話「こらしめられた王様」。固体は暖めると液体になります。氷は摂氏0度で液体(水)になります。
- 第二話「金魚が見ていた」。水は蒸発します。摂氏100度で沸騰します。液体から気体になりますが、沸点に達しなくても、空気に溶けて徐々に気体になります。
- 第三話「消えた発明」。多くの物質は固体を暖めて液体に、液体を温めて気体になりますが、物質によっては、固体が直接気体になる「昇華」という変化があります。
- 14. 未来都市
- 未来予想図
- 二千年のある町 火星調査隊員の父親との電話。無線電話は実用化されました。火星への有人探査は、今のところ実現されていません。いくつか計画があったようですが、予算の問題で先送りと言うことです。なんだか、夢と現実を知った五十年後の今であることを思い知りました。
- 電話で診察 前日、父親と電話で話してうれしかった明子ちゃん。ところが起きて朝の挨拶をしたお母さんの身体の具合が悪くなりました。電話の診察で、脈、体温、心電図を医者がみます。インターネットが普及した現代は、この程度なら実用化されていますね。電話でわからないことがあったので、お母さんは病院で直接診察を受けることになりました。
- テレビで勉強 お母さんが病院に行っている間、学校をお休みしてお留守番の明子ちゃん。ところが、授業は、学校との映像通信でいつも通り受けられます。これも、インターネットが普及した現代では、実現可能ですね。放課後にクラスメイトが遊びに来ました。
- ロケットを追う隕石 お父さんのロケットが隕石に追いかけられている情報が入りました。いつも通りお父さんと電話でお話したものの、明子ちゃんは心配。お母さんも病院だし。遊びに来てくれたクラスメイトもおうちに帰りました。
- にげるロケット お母さんは病院に泊まり。お父さんのロケットは、まだ隕石から逃れていません。不安な明子ちゃんは一人で眠ることになりました。
- 地球から追い出される お父さんのロケットはついに隕石に追いつかれ大破。しかし、お父さんを含むクルーは宇宙船を脱出し、救助されました。
- カゼというむかしの病気 お母さんの病気は風邪でした。二十年来罹患した人がいなかったので、お医者さんも「風邪だ」と解るまでに時間が掛かったのでした。明子ちゃんは一安心。もう一晩、一人でお留守番です。
- ヘリコプターでドライブ お母さんは退院して帰ってきました。お父さんは事故の影響で基地にもどるまで二時間遅れます。時間が出来たので、お迎えのヘリコプターは、お母さんと二人、ドライブを楽しみながらです。
- 家族の関係は、特に未来だと言っても変わりが無く描かれています。そして、実際に2000年をずいぶん過ぎた現代でも「それほど変わりないな。」と、実感しました。
- 15. ねずみとりにかかったねこ
- 通常のショート・ショートです。世紀の大発明も使い方を誤ると、身を誤ります。
- 16. 白い怪物
- 牛乳にレモン汁を垂らすと表面が固まるタンパク質の酸変成を少し応用した宇宙での遭難、脱出ものがたりです。
- 17. 悪人たちの手ぬかり
- 西部劇です。機転を利かせて悪党から逃げた少年。
- 18. 夜のへやのなぞ
- お父さんが出張で留守の日にお母さんが熱を出して入院した。おじさんの家に止まった夏子ちゃんの一晩の冒険。不思議なことでも、必ず原因がある。リアリティー小説(のショート・ショート)でした。
- 21. オイル博士地底を行く
- 博士と五郎君のタイムマシン旅行。
- 古生代の石炭紀(約3億6千年前から3億年前)に行きます。シダ類が盛んに光合成をして、今よりも酸素濃度が高い時代。酸素濃度35%。昆虫のような血液によらない酸素供給システムの生物も大型化して空を飛びます。(といっても、羽を広げて60~75cm程度だそうですが)。古生物のお勉強の他、石油や石炭が出来る仕組みを学んぶ冒険の旅です。
- 22. あばれロボットのなぞ
- 地球人が宇宙に行くなら、宇宙人が地球に来ることもある。
- が、しかし。最初に地球人が宇宙に送り込んだのは、無人探査ロボットだったわけで。
- 41. 魔法のランプ
- 「望みを一回だけかなえてさしあげます」と言ったからには、望みを聞いて欲しかった。。。
- 43. ある未来の生活 すばらしき三十年後
- 冒頭「N氏の家庭生活をのぞき、未来の一部をえがいてみることにする。あるいは、みなさんが将来、このような生活をするかもしれないからだ。」と延べ、5項目を挙げて説明しています。
- 「すべてが自動装置」
- 「文明は永久に進歩する」すべてが自動装置化されたとしても、文明が進歩する限りは、人の仕事はなくならない。より生産性が高い仕事に従事する。
- 「文化とはバラエティなり」趣味が多様化、高度化することを予言しています。まるで、今インターネットで見られる多様なブログのテーマのことを予言しているように思えました。
- 「機械が先生」学校ですることは、友達とつきあうことと、いろいろな機械の動かしかたを習うこと。なるほど、そうかも知れませんな。子供や高齢の方にとってインターネットリテラシーを身につけることは今の世の中で必須なことを考えれば。
- 「食事は大切な娯楽」僕は、食べ物の心配をして育った世代の親に育てられました。だから、食事に「うまい」と言うのも選り好みをしているようで気が引けます。毎日食べられることがありがたいじゃないですか。ところが、現代は、完全に趣味として、TVのバラエティー番組でも頻繁に目にするようになりました。なるほど、豊になるというのは、食事が娯楽になることなのかもしれません。
- 58. ふしぎなおくりもの
- 空き地で友達と野球をしていたのだが、打ったボールで近所の家のガラス窓を割ってしまった。野村くんは謝りに行く。
- 科学のお話でした。そういえば小学生の頃、砂場で磁石を使い、砂鉄を集めたことがありました。
- 59. お化けの出る池
- オバケの謎を松井君と林君が解明します。
- 不思議を不思議で終わらせないで、どんな仕掛けがあるのか考える。良いお手本になっていると思いました。
最後は、日本SF大会のプログラムブックに寄せた祝辞です。
サービス精神を発揮した星新一が、祝辞に留まらず、気の利いたショート・ショートで祝福しています。
- 48. ケラ星人
- 大長篇連載開始の初回連載の形態です。次号が楽しみ
- 51. 円盤
- 1969年の日本SF大会は、熊本県杖立温泉たしろ屋旅館で開催されました。大会の愛称は「KYUKON」。この短篇は、KYUKONを舞台に、訪れた宇宙人の勘違いを描いています。
- 52. 不安
- 日本SF大会に参加した250名が読んで「俺のことだ。」と認識し、周囲の人間らしき人たちを見回す面白い仕掛けの短篇です。
- 53. 太陽開発計画
- 月でもなく、火星でもなく、太陽への有人飛行と人類のための開発計画。たしかに、言われてみればエネルギーはありあまるほど在るはず。
2016年11月14日
No.593