No. 497 骨音 池袋ウエストゲートパークIII /石田衣良著 を読みました。
連作小説「池袋ウェストゲートパーク」の第三弾。今回もマコトは池袋のトラブルシューターとして大活躍します。
- 骨音
- 表題作は池袋のホームレスを襲う連続骨折り魔の物語です。池袋のライブハウスシーンの熱狂も臨場感がありました。
物語とは直接関係ありませんが、突飛なことをせずに、メジャーで名をなす人って偉大だなぁ。と思いました。でも、突飛な事をして、後に「音楽の世界に革命を起こした」と言われる人もいるから、一概に突飛なことを否定するわけにもいかないですね。ハイハットをバチで叩くのも今は当たり前だけれど革命だっただろうし、ベースを親指のハンマリングと人差し指のプリングだけで弾くスラッピング奏法も最初は強烈なインパクトがありました。 - 西一番街テイクアウト
- IWGPで毎晩本を読んでいる11歳の女の子との出会い
だれかに頼るのではなく、また誰かを恨みに思って黙っているのではない、街の人たちの行動力に乾杯です。 - キミドリの神様
- 池袋活性化のため若者たちのNPOが立ち上げた地域通貨「ぽんど」
善と悪、この短編には、何種類かの黒と白が出てくるわけですが、彼らを吟味すると、双方の側面を持ち、またグレートも言い切れない真面目なヒーローの姿が印象に残りました。 - 西口ミッドサマー狂乱
- 池袋の若者に出回ったドラッグ「スネークバイト」と真夏のレイヴ
第三弾の最後も、凝ったストーリーと、激しいアクションで読み応えがある書き下ろしでした。自然の中のレイヴと大都会の真ん中のレイヴその裏で繰り広げられる事件とその結末。日常と非日常。日の当たるところと、日陰と。強いコントラストで今自分がいる場所(花冷えの部屋)を忘れる読書でした。
2008年4月8日
No.497