No. 509 すっぴんは事件か?/姫野カオルコ著 を読みました。
webちくまに連載されていた人気エッセイ「やめて愛してないなら」をまとめた本です。
僕が「だから、姫野カオルコのエッセイは面白い」とつねづね思っている特徴=ニュートラルな視点で物事を見つめ、自分で判断を下してみる。は、この一冊でも健在です。痛快に読み終えました。
表題は「すっぴん」で外出することは、驚くことか?です。さらに、それ以前に、化粧をした方が綺麗だったり、健康的に見えると言う前提は正しいのか、に始まり、「男っぽい」「女っぽい」の真実、「小悪魔とは?」など男女の事から、映画の受賞内容まで多岐にわたります。
例えば僕も、「横縞柄の服の方が痩せて見える」とか、「カレーの具は大きく切った方がおいしい」とか、「そう言うことになっている」事が多いように感じます。でも、僕は「そう言われているけれど、実際は違うのではないかな。」と思うことも多いです。痩せて見えるかどうかは、自分が見た目で判断できるし、カレーの具は自分の好みを考えれば良いのです。でも、「そう言うことになっている」事について「僕はこう感じた」と言っても(せっかく「わかってくれる」と思った友達に話したのに)逆に「なんで、そんな事を疑問に思うの?」と逆に変人扱いされて、口惜しく思った事は一度ではありません。
そんな、悔しい思いを共有出来たような愉快な一冊でした。
さらに、僕が「目から鱗が落ちた!」と感じたのは、第1章「いつも危険日」-男と女のウソ ホント- 第三段「エロ本の男女差」です。女性向け、男性向けエロ本の典型を分析し、キャラ設定の違い、ストーリー展開の違いから、それぞれの社会的立場まで考察しています。求められて応じるのを好む人と、同意の上それぞれ主体的に取り組むのを好む人とがいることを認識すべきだと気付きました。
エロ本を比較して、こういう事に気付く著者の洞察力ってすごいな、と思う一方、僕だって、日常生活で目にしたものや、耳にしたことから、本当はまだまだ「考えればわかること」があるのかもしれない。と思う一冊でした。
以上はおおよそ
に投稿した感想文です。
(単行本へのレビューです)
ちなみに、第2章「媚びれ!」の第二段「だからあなたもヤリ抜いて」の「ツ、イ、ラ、ク」姉妹編「桃」が出版されて結婚し、祝電をもらったのは、僕です(^_-)v
姫野先生、ありがとうございます。
2008年12月20日
No.509