受動態

Daniel Yangの読書日記

No.547 ゆるく考えよう ~人生を100倍ラクにする思考法~/ちきりんを読みました。

Hatena::Diaryのブログ「Chikirinの日記」が人気のブロガー「ちきりん」のメジャー出版社からのデビュー作です。

最初の一冊は、ブログ「Chikirinの日記」をまとめたものだと認識していたため、買わずに済ませよう、と思っていました。

しかしながら、2冊目「自分のアタマで考えよう~「知識」にだまされない「思考」の技術~」

3冊目「社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!」

を読んで、

「本としてまとまっているものは読みやすい。わかりやすい。」

と考えを新たにし、購入して読みました。

 

おさらいしながら、本書をご紹介します。

はじめに
先ずは、キャッチフレーズである「おちゃらけ社会派」とは、どういうことなのか。本書の概要を記しています。
僕は、十代後半のころに、いわゆる「社会派」の人の書く雑誌記事や書籍を好んで読んでいました。しかしながら、当時の「社会派」を振り返って考えると、「万年野党」=責任ある立場の人を批判することを使命として自ら任じている人でした。または、生物学を勉強したわけでもないのに、「同種間で殺し合うのは人間だけです。」と、誤った知識を引き合いに出して平和をうったえる人でした。
そう言うわけで、Chikirinの日記は好んで読んでいたものの、キャッチフレーズ「おちゃらけ社会派」については考えないことにしていました。
本書の序章は、僕の疑問に対する回答になっていました。「なるほど、僕がこのブログを好んで読むのは、Chikirinがこんなことを念頭に置いて書いているからか。」と、理解を促されました。
モーレツの時代は過ぎ去りました。ゆるく考え、ラクに生きましょう。
1 ラクに生きる
  • 目標は低く持ちましょう!
  • 人生は早めに諦めよう!
  • 退屈な時間を楽しもう
  • 多数派が正しいわけではない
  • 人生の主役を生きる
  • 日本はすばらしい国
  • 日本はアジアのイタリアに
これが、第一章「ラクに生きる」の目次です。序章「はじめに」に記しているとおり、
おちゃらけ」ているように見えたり、極論に思えることもあるかもしれませんが、「こんな考え方もあるのか!」というひとつの例として読んでみていただければ幸いです。
と言うことです。Chikirinの日記愛読者である僕にとっては、「そうだよ。そうだよ。その世間の常識を一旦隅に置いておいて、ニュートラルに考察すると、こういう提案もあるよね。」と楽しい第一章です。僕は楽しいのですが、今までの僕の経験=僕が周囲の人に「Chikirinの日記」をお勧めして、拒否反応を示された時の経験から、僕は、これを受け入れられない人がいることを知っています。すなわち、活字や、人気ブログを権威としてあがめる人が、今まで親や学校で教えられたことと異なることを言われて、混乱し、適応するための拒否反応です。この章を愉快に読める人は、きっとChikirinの文章を楽しめる人です。ある意味、第一章で読者を選別をしています。
ちなみに、僕が「気が合うな。」と思う人に、「Chikirinの日記読んでる?」と聞くと、かなりの頻度で「読んでるよ。」と答えます。僕にとっても、Chikirinの日記は友だちを選ぶ上で、良い材料です。
2 「自分基準」で生きる
第二章からは、生き方についての具体的な提案になっています。第一章で選別された読者に対して、Chikirinが親切に提案しています。僕が特に感心したのは、最後の「自分に近いものにこだわりすぎるのはやめよう!」です。こだわりの対象を人生のステージごとに広げていこうというものです。若いときには、身近なことにこだわりを持つのが健全だし、幸せにつながります。歳を取ったら、家族などの生活などには口出しをせず、広く社会や世界のことを思え。(と、僕は理解したのですが)まったく、その通りです。逆のことをしている人を具体的にイメージしてみましょう。
若いときに大言壮語、奇吐き愚を驚した。周囲の小市民とは異なり、大局観を持っていた。結局はうだつの上がらない普通の人になってしまったが、まだ大志を抱いているよ。周囲に相手をしてくれる人は少ないけれど、そんなことは気にならない。俺が考える世界のあるべき姿を理解出来る人が多くないことは若いときから承知している。疎略に扱われるようになったのは気がかりだが。結果として、家族に忠告、アドバイスをする機会が増えた。だが、折角親切で、生活の知恵や、挨拶、マナーなどを教えてあげているのに、家族は迷惑な顔をする。どうやら、疎まれているようだ。寂しい老後である。
なるほど。Chikirinさん、あんた、良いことを教えてくれました。歳を取ったら、家族への口出しは控えて、自分が楽しいと思うことを、楽しむようにします。
なお、上記は、僕が理解した内容を、僕が嫌味を交えて例に示したものです。本書でのChikirinの説明は、若者向けに、楽しく示されています。つまり、僕の読書感想文は、このへんで読むのを止めて、この本を購入して、Chikirinのを読むのが吉。と言うわけです。スミマセン。
3 賢く自由に「お金」とつきあう
さすがに、金融業でばりばり働いていた著者の正直な意見はありがたいです。僕は、お金のことといえば、売り手(保険のおばちゃんとか)からしか話しを聞く機会が無かったと気がつきました。
4 仕事をたしなみ、未来をつくる
仕事と、自分の人生の関係について
5 ストレスフリーで楽しく過ごす
人生全般について。
「コミュニケーション成立比率」の項は、日本人に多いハイコンテクスト社会に慣れた人へのアドバイスになっています。専門用語(ハイコンテクストとか(^◇^;))を使わずに、コミュニケーションの取り方についてわかりやすく心構えが提案されています。
おわりに
「自由であること」と題し、生き方について語っています。僕も、高校生のころに「あぁ、早く親の世話にならずに、自由に生きたいものだ。」と思いました。(今考えると、これは成長の過程で現れる「独立心」でした。でも、独立心が低いまま大人になる人も多いようですね。思えば、この感覚が近い人とは仲良く出来るけど、後略)自由ってなんだろう。読者に考える味わいをのこして、本書は終わります。

2013年11月29日
No.547

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