同日の同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。雑誌記者の浅川は姪の死に不審を抱き、調査を始めた。そしていま、浅川は一本のビデオテープを手にしている。少年たちは、これを見た一週間後に死亡している。浅川は、震える手でビデオをデッキに送り込む。期待と恐怖に顔を歪めながら。画面に光が入る。静かにビデオが始まった……。恐怖とともに、未知なる世界へと導くホラー小説の金字塔。カバーの背表紙を転記
の原作。
ほぼ同時刻に変死を遂げた四人の少年少女。彼らの死に不審を抱いた雑誌記者の浅川が、その真相を探るべく調査を開始します。
先に謝っておきますが、僕はオカルトを好みません。あしからずm(v_v)m
そう言うわけで、映画版の「リング」は、怖かったですが(特に貞子がテレビから出てくるところ)僕がこの小説を読んでの感想は「ホラーとしてではなく、謎解きのミステリー小説として面白かった。」です。
最初は記者としての好奇心から調査を開始した浅川が、家族のために是が非でも謎を解かねばならなくなります。彼は無力な一市民ですが、持てるもの全てを使って、難解な謎を解き明かしていく物語の展開は、彼が家族を思う気持ちの大きさとして感じるところが多かったです。
「よく、謎を解いた!」
と、うれしさいっぱいに浅川を祝福して読み終えつつあった僕を裏切った、最後まで、予断を許さない凝った展開も、この小説に執着させる一因になっています。
どうしたって、続編を読みたくなりますよ。
2005年 3月18日
No. 436
No. 436