受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 621 かがみの孤城 / 辻村深月 著 を読みました。

かがみの孤城

かがみの孤城

 

安西こころが、かがみの孤城で過ごした一年間の物語

第一部・様子見の一学期†
「五月」
から、
第三部・おわかれの三学期†
「閉城」
まで。
雪科第五中学校一年生の安西こころが、かがみの孤城で過ごした一年間の物語です。

狼の面をかぶった女の子に強引に引き込まれたかがみの孤城で、同じように集められた中学生男女7人で与えられた謎解きに挑みます。

ミステリー仕立てのファンタジー

単行本は最後のページが554ページ。ミステリー仕立ての長い小説です。
ミステリーは、どのように謎を解くのか。そもそも、なぜ7人が集められたのか。
いずれ、現実でのこころたちの問題も解決しながら、フィナーレを迎えるのだろう、と結末を予想しながら、謎が徐々に明らかにされるのを楽しみつつ、読み進めました。
最後に
「エピローグ」
で後日談が語られ、謎が全て明らかになります。

2018年本屋大賞受賞作

2018年本屋大賞をダントツで受賞した作品です。
僕は、高知県も舞台に登場する最新作「青空と逃げる」中央公論新社2018/3/25)
青空と逃げる (単行本)

青空と逃げる (単行本)

 
が面白かったので
「他にも辻村深月作品を」
と思い、本屋大賞で話題になっていた本作を購入しました。

この世の中は、生きるに値する世界である。

この世の中が
「生きるに値する世界だ」
とあらためて教えられた思いで読み終えました。
 
難しい題材をどのように着地させるのか、読書中は少し心配しながら読んだのですが、圧巻でした。
特に、読んで感じるメッセージ=繰り返しになりますが
「この世の中は、生きるに値する世界だ。」
と言うことが伝わってくることが圧巻です。
あたかも自分が経験によって得た悟りのように錯覚するほど、情熱的でした。
 
輪を掛けて、ファンタジーを説得力を持って成立させる構成(謎解き)も素晴らしく感じました。
さすが、本屋大賞受賞作だ、と思いましたし、この物語を、ちゃんと拾い上げ、僕が本を買う機会を与えた「本屋大賞」の実力にも感謝したい気分です。

振り返って、
僕も、こころたちが生きている世界の一人であること、
この世界を作る一員としての役割があるのだ、
と思いました。
2019年 4月 6日
No. 621