受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 604 嫌われる勇気/ 岸見一郎・古賀史健 著 を読みました。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 
amazonレビューを転記します。

世界三大心理学の一つ

フロイト(Sigmund Freud:独1856~1939精神医学者)ユング(Carl Gustav Jung:瑞1875~1961)と並び「心理学の三大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラー(Alfred Adler:墺1870~1937)が説く個人心理学(アドラー心理学)をわかりやすく一冊にまとめた本です。
 
日本アドラー心理学会認定カウンセラー、顧問の岸見一郎(1956~)と、
フリーランスライターの古賀史健@fumikenとの共著。
 
アドラー心理学をうさんくさく感じた青年が、たびたび哲学者の元を訪れてアドラーの教えを論破しようとする、対話形式の物語です。

アドラー心理学とは?

僕は、アドラーの著作を読んだことがありません。しかしながら、ウィキペディアで簡単に勉強すると、
本書は、アドラー心理学の基礎的な要点を網羅していることが推測されます。
たとえば、
  • 劣等感についてのとらえ方。トラウマなど存在しない、と考えることにより、トラウマの害を排除し、前向きに生きることが出来る。
  • 他人を変えることは困難だけれど、自分が変わることは容易であり、自分の考え方を変えることで、世界観を変えることが出来る。
  • など。
この本で示されている生き方を実践すれば、僕は豊かな人生を送れるだろうな。と思いました。
また、みんながそうであれば、みんなが生きやすい豊かな社会になると思います。

企業戦略に応用されている?

世界各国の企業と競争しているプロジェクトチームでは、信頼を先行させる日本企業同士の協業を模索することがありました。
「これが日本の強みだよな。」
と思うのですが、
この本を読むと、個人の生き方としてアドラーが教えている内容を
戦略として実践しているのが日本企業なのではないか、と思えるほど、
アドラーの個人心理学の教えと、日本企業の良い面が類似していることに驚きます。
 
ちなみに、日本企業に限らず、たとえばマイクロソフトと業務提携を結ぶ時にひな形として提示される内容も、信頼を先行させる関係を結ぼう、と言う内容になっていて驚きます。
日本では、心理学と言えば、フロイトユングですが、欧米では、アドラーを加えて「三巨頭」なのだそうです。
つまり、アドラー心理学は、欧米で浸透しているわけです。
アドラー心理学を基礎に協力関係を謳う欧米企業が、日本的な協力関係の強みを発揮して、成功している。
これが現代のグローバル競争社会なのかもしれません。少し、大げさでしょうか。

オススメの本です

と、言うわけで、多くの人に、この本をオススメしたいと思い、amazonにレビューを投稿しました。

しかしながら、オススメするのが難しいのも、アドラー心理学の特徴の一つ。
「トラウマなど、存在しないものと考えたまえ。」
と言われたって、そう簡単には、受け入れられませんよね。
 
本書は、この受け入れにくい内容を、若者が哲学者に対して論破しようと試みる物語で、わかりやすく解説する工夫があるのですが、
僕が、amazonで皆様にお勧めするには、力不足。

と、言うわけで、ここでは

変化球勝負で、本書をオススメしてみます。

「この本を読んで、実践すると、モテますよ。」
と言ってみることにしました(笑)
 
先ず、この本の内容を実践すると、
育ちが良い人
と言う印象を与えると思います。
汲々としたところが無く、
穏やかで余裕がある人
に感じられるはずです。
 
次に、
親切な人
と印象づけられるはずです。
ですが、触れられたくないプライベートな部分にまでは踏み込まない。きわめて紳士、淑女な人になります。
 
それでいて自分の欲望や要望が明確です。
「相手に言わせて、不具合があった時には相手のせいにしよう。」
と言う卑怯さがありません。
明朗で、リードしてくれる人になります。
 
でも、相手の承認欲求は満足してくれません。
褒めてもくれないし、叱ってもくれません。
承認欲求不満にならない相手(つまり、自立した大人)にならば、素敵な恋人、あるいは配偶者になるだろう、と思います。
 
若いうちに情熱と勢いで恋人や結婚相手を得る人とは違って、
ある程度成熟した大人がパートナーを選ぶなら、こんな人を選ぶのが良いと思います。
長続きするだろうし、幸せな一生が過ごせると思います。

この本は「大人のモテ本」です。

僕の変化球でのオススメ方法はいかがでしたでしょうか。
 
ちなみに、

タイトルについて。

「嫌われる勇気」
は、
「嫌われましょう。」
ではありません。
「嫌われることを恐れて、人におもねる態度をとると、逆に嫌みな印象を与えますよ。」
と言う程度の意味です。

最後に。

本書は、韓国語に訳されて韓国内でブームとなるほどヒットしたそうです。
なるほど。日本以上に、子供の頃からプレッシャーが強うそうな感じがしますもんね。
2016年 3月12日
No. 604