受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 592 ちくま文庫宮沢賢治全集8/ 宮沢賢治 著 を読みました。

最初の一冊にオススメ。生前発表の童話を網羅した一冊。

宮沢賢治全集〈8〉注文の多い料理店・オツベルと象・グスコーブドリの伝記ほか (ちくま文庫)
 
amazonレビューへの投稿を転記します。
ちくま文庫宮沢賢治全集は1から4が詩など。5から8が物語、9が書簡、10は論文などです。
物語4巻(5~8)のうち、本巻「8」は、
宮沢賢治生前に発表された物語を網羅しています。
目次をご紹介します。
1. ~ 61. の番号は僕が説明のためにつけたものです。
括弧内は、本巻の解説(本文について)などを参考に初出を記しました。
1924年に「イーハトヴ童話集」全12巻の第一巻として刊行)
1. 序
2. どんぐりと山猫
3. 狼森と笊森、盗森
5. 烏の北斗七星
6. 水仙月の四日
7. 山男の四月
8. かしはばやしの夜
9. 月夜のでんしんばしら
10. 鹿踊りのはじまり

 

(1921年に雑誌に発表された宮沢賢治のデビュー作です。)
12. やまなし
13.氷河鼠の毛皮
(12.~14.は、1923年に新聞に掲載されました。)
16. ざしき童子のはなし
17. 猫の事務所
(15.~17.は、1926年に雑誌に掲載されました。)
18. 北守将軍と三人兄弟の医者
(1931年に雑誌に掲載されました。)
(1932年に雑誌に掲載されました。)
20. 朝に就いての童話的構図
(1933年に雑誌に掲載されました。)

 

生前発表初期断章
(1917年~1918年に同人誌に発表)
21. 「旅人のはなし」から
22. 復活の前
23.[峯や谷は]

 

初期短編綴等
24. 家長制度
25. 秋田街道
26. 沼森
27. 柳沢
28. 猫
29. ラジュウムの雁
30. 女
31. うろこ雲
32. 花椰菜
33. あけがた
34. 電車
35. 床屋
36. 図書館幻想
37. 山地の稜

 

「短編梗概」等
38. 花壇工作
39. 大礼服の例外的効果
40. 泉ある家
41. 十六日
42. 竜と詩人
43. 疑獄元兇

 

手紙
44. 手紙 一
45. 手紙 二
46. 手紙 三
47. 手紙 四

 

48. 飢餓陣営
49. ポランの広場
50. 植物医師
51. 種山ヶ原の夜

 

52. 山男の四月[初期形]
53. かしはばやしの夜[初期形]
54. やまなし[初期形]
55. 猫の事務所[初期形]
56. 北守将軍と三人兄弟の医者[初期形]
57. ゴスコンブドリの伝記[グスコーブドリの伝記 先駆形]
58. 丹藤川[家長制度 先駆形]
59. あけがた[初期形]
60. 生産体操[飢餓陣営 先駆形]
61. 植物医師[初演形]

 

1. ~ 10. は、短編集「注文の多い料理店」をそのまま再現したものです。
生前に出版された宮沢賢治の単行本は「注文の多い料理店」と詩集「春と修羅」(ちくま文庫宮沢賢治全集1
宮沢賢治全集〈1〉 (ちくま文庫)

宮沢賢治全集〈1〉 (ちくま文庫)

 
に収録)二冊だけです。
3. 狼森と笊森、盗森
近代的な酪農に感激した宮沢賢治が小岩井牧場の森をモデルに記した物語です。いずれも、岩手県の自然が生き生きと描かれています。特に、雪の野原を行く少年を描いた
6. 水仙月の四日
9. 月夜のでんしんばしら
など寒いであろうに屋外、自然がすがすがしく感じられました。
「うちでゲームばかりしていないで、外で遊びなさい。」
と、言われるよりは、僕はこんな楽しい自然の物語を聞きたいと思いました。
12. やまなし
クラムボンが出てきます。
47. は、チュンセとポーセが出てくる小説です。
宮沢賢治全集〈5〉貝の火・よだかの星・カイロ団長ほか (ちくま文庫)

宮沢賢治全集〈5〉貝の火・よだかの星・カイロ団長ほか (ちくま文庫)

 
に収録されている
チュンセ童子とポーセ童子が出てくる「双子の星」
とは別の物語です。
51. 種山ヶ原の夜
は、ジブリの映画
種山ヶ原の夜男鹿和雄監督2006年)
種山ヶ原の夜 [DVD]

種山ヶ原の夜 [DVD]

 
の原作でもあります。

 

本書の戯曲「種山ヶ原の夜」には
”伊藤(口笛で後の種山ヶ原の譜を吹く)”
とあり、イーハトーブ交響曲に引用された「牧歌」の楽譜がついているはずなのですが、本巻には楽譜が収録されていません。
楽譜は、僕は新潮文庫
新編宮沢賢治詩集 (1991/7/30発行)
を買って、拝見しました。

 

詩編として
「牧歌」
が収録されていますが、楽譜があるかどうかは存じ上げません。
全十巻の中のどこかに収録されているのではないか、と思うのですが。

 

現代のほとんどの宮沢賢治作品は、
編纂する際に、徹底的に研究し、綿密な検討した筑摩書房の
「校本宮沢賢治全集」(1974年刊行)を底本にしています。
そこで、宮沢賢治作品を読むにあたって、校本宮沢賢治全集を継承したちくま文庫版を読み始めました。
とりあえず、全集の7と8(本書)を買えば、有名なところは一通り読めます。
教科書に収録されている詩「永訣の朝」
は、全集の1に収録されていますので、先ずはこの三冊を購入し、
気に入ったら全10巻を徐々に揃える作戦です。

 

切っ掛けは、
でした。
第一楽章「岩手山の大鷲(種山ヶ原の牧歌)」に引用されている「牧歌」の原作を読みたく、購入しました。
読むことが出来ました。
満足です。

 

しかし、購入前に収録内容がよく分からなかったため、少々博打の購入となりました。
これから購入される方のために、ここでは、目次を転載しました。
2016年11月 5日
No. 592