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受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 498 イニシエーション・ラブ/乾くるみ著 を読みました。

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

イニシエーション・ラブ (文春文庫)

 
タイトルの「イニシエーション」は(作中でも語られるのですが)辞書を引くと、「入会/入社式」などと書いてあります。おおよそ「ファースト・ラブ」と同義ですね。
静岡大の理系の学部四年生「鈴木夕樹」が人数あわせに呼ばれた合コンから始まる、ファースト・ラブの物語。主人公(男性)の視点で書かれています。

 

ストーリーは、いわゆるボーイ・ミーツ・ガールです。主人公「鈴木夕樹」は、それまでお勉強ばかりして、硬派を気取っていましたが(軟派になるワケではないですが)出会った恋人の要求を素直に受け入れます。服装に気を遣い、車の免許を取って、と「彼女がいる男」としての体を整えていきます。「教科書的恋人としての男」の見本を見ているようでおもしろかったです。
僕も、理系の大学をほとんど彼女も作らないまま卒業した「鈴木夕樹」の同類と思いながら読み進めました。しかし、途中で、僕はやつとは違う、と思いました。女性に服装の指摘などされても、不快に思うだけです。なけなしの小遣いはたいて服など買いません。そもそも僕には「一人でする趣味」がたくさんあります。
この物語の設定で一番「女性向け」と思えるのは、やつが男だけのグループでの集まりや、一人だけで山に行く。などの趣味を持たないことです。

 

女性には心地よく読めるのでしょう。
と思ったのですが……
結末から、著者が、鈴木夕樹のイニシエーション・ラブの相手成岡繭子のようなタイプをどう思っているのか考えると、この小説の意図が見えてくるような気がしました。
みなさんは、如何ですか?

 

と言うのが、僕の感想文です。が、以上の感想文は誤読です。誤読ですが、これが感想です。ごめんなさい。
2008年5月1日
No.498