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受動態

Daniel Yangの読書日記

No. 516 女子大生会計士の事件簿 DX.2 騒がしい探偵や怪盗たち/山田真哉著 を読みました。

Kindle版もあるようです。
同じ会計事務所に勤務する、女子大生兼公認会計士の藤原萌実と新人公認会計士補のカッキーこと柿本一麻のコンビが、クライアントの監査で出くわす事件に対応する経済ミステリー第二弾。
競艇場から生まれた>事件  領収書の話  
萌実とカッキーが最初にコンビを組んだ事件です。最初の監査現場で、主査の萌実に挨拶するカッキー。初仕事に意気込む初々しい姿が印象的です。
<不器用なエンゲージリング>事件  売上と借入金・貸付金の話  
次は、若手マネージャーの大津を交えての監査。古い業界の悪習をエピソードに交えています。
<「綺麗だね」と僕が言った!?>事件  商品の評価の話  
本書第三話は、大津の恋人も交えての四人での有給休暇旅行先でのエピソード。事件は起こらず、過去のおさらい。企業経営と経営者の反省。方針を示すのが人を扱う人の重要な仕事なのだと、気付かされます。
<騒がしい探偵や怪盗たち>事件  インターネットとインサイダー取引の話  
第四話は、自社株の株価を操作したインサイダー取引の話。具体的な罪に問われることなく、犯人は売り逃げる事が出来るか。萌実の頭脳が冴え渡ります。
<幸運を呼ぶおサルさん>事件  資金管理の話  
よくある単純な犯罪なのですが、それを防止する秘訣、と言うか常識の指南をする萌実の指導は、管理職者たちへの良識の伝授と感じられました。
<十二月の祝祭>事件  数字の話  
神戸に監査に行った、萌実とカッキー。実は萌実の故郷であった。萌実の過去と、会計士を目指した経緯が語られます。
<遅れてきたクリスマス>事件  棚卸立会・売上原価の話  
会計簿から、不正を見つけ出す、会計士らしい萌実の仕事っぷりが楽しかったです。
女子大生会計士の事件後2
解説として、一年間の仕事を振り返るカッキーと萌実。
読者からの質問コーナー
「会計士の仕事とは何か」を解説しています。本書の萌実、カッキーらがつとめる監査法人が、大企業並みの従業員からなる大手だと言う設定がわかりやすく紹介されていて理解が深まりました。

DX.2は、作品に脂がのってきたように感じました。このシリーズの発端である「会計士という職業の紹介」にとどまらず、ミステリーとしても充実し、著者が後書きで記しているように、恋愛や、ファンタジーの要素も交えて萌実の人となりが読書にふくらみを見せているように感じた一冊でした。

2009年5月18日
No.516