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受動態

Daniel Yangの読書日記

No.543 自分のアタマで考えよう/ちきりんを読みました。

自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう

Hatena::Diaryのブログ「Chikirinの日記」が人気のブロガー「ちきりん」の二冊目の本です。 オリジナリティーが高いブログ記事を記す著者が、その秘訣を披露した一冊です。 僕は「Chikirinの日記」の人気(※)の秘訣は、そのオリジナリティーにあると考えています。

(※)Top Hatenarによると「Chikirinの日記」は、現在(2013年6月15日)日本語で記される629,522のブログ中69位の購読者数を獲得しています。このランキングの40位くらいまでは、ほとんどがニュース記事や、書店に並ぶ雑誌と同様に複数の編集者が記すサイトです。その後に続く個人ブログは、堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」(43位)などの著名人や、研究機関の研究者、ごく少数のカリスマブロガーなどです。つまり、現時点で著者はおそらく日本語で記す個人ブロガーとしては、十指に数えられるカリスマブロガーです。

「Chikirinの日記」が取り上げる記事は、TVを付ければ容易に目にする時事ネタや世界で起こる事件です。ですが、TVで解説される当たり前のコメントとは異なる着眼点、考察に特異なオリジナリティーがあります。しかも、それは奇をてらっているのではなく、その着眼点を得た経緯、考察の背景を丁寧に説明しており、「なるほど、そのようにも考えられる。」と納得出来る内容です。 つまり、「Chikirinの日記」読者は、「なぜ、TVの解説は、そのような着眼点を得ることが出来ないのだろうか。一方的な見方ではないのか。」と逆にマスコミの視野の狭さに思い至ることも多いと推測されます。

このオリジナリティーは、ブログ記事を自分のアタマで考えることが秘訣であると種明かしして、その思考法を惜しげもなく紹介しているのがこの一冊です。

 

本書は、以下のように全11章から成っています。

序 「知っている」と「考える」はまったく別モノ

 プロ野球の未来について考えてみよう

 で始まり、先ずは、「自分のアタマで考えたと思って書いたブログが、結局TVで見た解説の域を出ていない」と言う悩みを解消します。

1 最初に考えるべき「決めるプロセス」

 会議を重ねてもなにも決まらないのはなぜ?

 では、具体的に仕事に取り組む際に陥りがちな「考えてないけれど、忙しいから、何となく仕事をしたつもり」を避ける手法を解説します。

2 「なぜ?」「だからなんなの?」と問うこと

 合計特殊出生率が上がっても少子化は止まらないです

 では、数字の読み方を解説します。

3 あらゆる可能性を検討しよう

 日本にも格安生活圏が必要では?

 では、常識に囚われて場当たり的な解決策しか思い浮かばない罠の回避方法を紹介します。

4 縦と横に比べてみよう

 戦後経済の縦横比較から見える日本が進むべき道

 では、オリジナリティーのある解決策を見つける手法を紹介します。

5 判断基準はシンプルが一番

 婚活女子を見習おう!

 では、思考が発散した際の絞り込み手法を紹介します。

6 レベルをそろえて考えよう

 生活者目線で霞ヶ関の組織図を書いてみた

では、着眼点が偏っている際に陥る誤りを回避出来るようになります。

7 情報ではなく「フィルター」が大事

 就活のための企業研究が無意味なワケ

 では、就職活動を例として、情報収集のみで満足してしまう罠を指摘し、情報の活用方法を伝授します。

8 データはトコトン追いつめよう

 自殺の動機トップが「健康問題」ってホント?

 では、データを発表した人の意向を排除し、客観的に分析する手法を読者に課題として実習させます。

9 グラフの使い方が「思考の生産性」を左右する

 階段グラフで電気料金の大幅削減に成功!

 では、考える際に有効な手法を伝授します。

終 知識は「思考の棚」に整理しよう

 世界の大事件、NHK、BBC、CNNはこんなに違ってい<た

 では、普段からの心がけを提案しています。

 

そして、ここからが、僕の感想です。

「実用的だった。」

です。

実用的過ぎて、「次に読むのは小説にしよう」と心に誓ったほどです。

すぐに仕事に役立ちました。僕は開発計画の立案とスケジュール管理を担当していたのですが(来週から工場で現場勤務になるので、この仕事からは離れるのですが)先ず「考えなくても、わかる事」を、条件や状況を把握しまとめる事をするようにしました。要求コストや期限が決まっている場合、僕が作る開発計画は、その条件に合致するように作成すれば、責任者や決裁者の判断を仰がぐ必要がなく、わかりやすく説明し、「よし。」の一言で進められる事がわかりました。たいへんスムースに仕事を進められるようになりました。

次に判断に迷ったり、複数の解決策がある場合に、「ここが考えるポイントだ。」と絞ることが出来るようになりました。先ずは自分が「最も効率が良い」開発計画の修正版をまとめ、その内容が実情に合うかを現場の技術者に相談した後、判断するポイントを責任者に説明し、「日程を優先するべきでしょうか。コストを重視するべきでしょうか。」と判断しやすい形で決済を求められるようになりました。

「考えなくてもわかることを整理する」

「考えどころは、選択肢を作って、判断を求める」

ツー・ステップを意識することで、今まで「あーでもない、こーでもない」と無駄にしていた時間を消し去ることが出来ました。

 

こんなに実用的に即役立った本は初めてでした。

2013年 6月15日
No. 543